就職/転職に役立つ企業(化学業界)持続安定性ランキング~一定ライン以上の企業であれば問題なし ~

 企業が資金調達を行う際に使用する外部機関による信用格付けが実施されています。その信用格付けランキングを化学素材メーカーで整理しました。信用格付け=貸したお金を返す力があるか、は企業の持続安定性を基本的には示すため、化学業界における就職/転職する際の定量的な指標の1つとなるはずです。
日本に格付けをする企業は2つありますが、どちらもすべての化学業界の企業を網羅できている訳ではありませんでした。そこで、各々の格付けを合わせて、比較できるようにまとめました。

●ランクI+ 99.93%~99.94%返金/5年間
信越化学工業
●ランクI 99.93%~99.94%返金/5年間
富士フイルムHD,旭化成,花王
●ランクI- 99.93%~99.94%返金/5年間
積水化学工業,日東電工,JSR,日産化学,AGC
●ランクII+ 99.49%~99.63%返金/5年間
エア・ウォーター,クラレ,ダイセル,日本ゼオン,ニフコ,日油,ENEOSHD,東レ
●ランクII 99.49%~99.63%返金/5年間
三菱ケミカルG,住友化学,三井化学,日本ペイントHD,日本酸素HD,三菱瓦斯化学,関西ペイント,デンカ,日本触媒,ライオン,ADEKA,住友ベークライト,アイカ工業,日本化薬,クレハ,東亞合成,小林製薬,出光興産,東ソー,東京応化
●ランクII- 99.49%~99.63%返金/5年間
昭和電工,UBE,トクヤマ,東洋インキSCHD,セントラル硝子,エフピコ,三井金属鉱業,東洋紡,帝人
●ランクIII 98.97%/5年間
高砂香料工業
~~~(ここより上のランクは安定企業) ~~~
●ランクIV+ 87.62%/5年間
コスモエネルギーホールディングス
●ランクIV 87.62%/5年間
カネカ

※1 化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界+α
※2 日本格付研究所 HP: https://www.jcr.co.jp/
R&I HP: https://www.r-i.co.jp/index.html
2023年時点データ
※3 +、-は同ランクの中での位置付けを示す。返金リスクの確率は同等。

出来るだけランクの高い企業に行くことが望ましいですが、リスク確率を見ると、一定ランク以下の企業に入らなければ問題はないと考えるのが妥当です。ランクIII以上の企業であれば、就職/転職先の企業として5年間は99%保証されているレベルのため、就職しても安定していると言えるはずです。一方で、ランクIV+以下となると、倒産などのリスクを13%程度取る必要が出てきますので、就職/転職する際は注意が必要です。
保証期間は5年間ですので、実際に働く期間40年後はどうなのかが気になるところです。5年毎にランキングを再確認し傾向を確認し、40年後にランキング外になる可能性が高い場合は早めに転職するのもアリですね。

※4 誤解を恐れずに言えば、格付けは頭の良い人が必死に考えた、貸したお金を返せるのか?のランキング指標です。
※5 格付けの時間経過を見て、下がり兆候かどうかを確認することで、先々を考えるのも手です。