化学業界の企業の年収ランキングと就職/転職難易度~コスパ良企業は日本触媒と出光興産~

★給料の高い会社ランキング★

「どうせ就職するなら、出来る限り給料の高い企業に入りたい」

 そんな言葉に応えるため、化学業界の企業の年収ランキングを作成しました。年収はOPEN WORKによる30歳年収を採用(相対的に比較するためのデータ数が最大であったため。また、企業の後の()がない企業はOPEN WORKに公表されていないです。) 有価証券取引書記載の年収は、ホールディングス会社(富士フイルム三菱ケミカルENEOSなど)は本社の一部の人員だけの年収であり、その他ホールディング会社ではない企業との比較が出来ないため、ランク比較にはOPEN WORK記載の年収値がベターと判断しました。特にホールディングス会社は、就職先として人気も高い企業が多いため、OPEN WORKによる年収比較がよいと考えました。

●ランキングI(年収650~700万円@30歳)
ENEOSHD(689),出光興産(662),富士フイルムHD(659),旭化成(649)
●ランキングII(年収600~650万円@30歳)
日東電工(635),昭和電工(631),帝人(621),積水化学工業(619),花王(616),住友化学(610),日本触媒(600)
●ランキングIII(年収550~600万円@30歳)
JSR(595),東洋インキSCHD(595),ライオン(594),クラレ(588),ユニ・チャーム(586),三菱瓦斯化学(585),ダイセル(584),DIC(580),東レ(578),AGC(577),小林製薬(576),信越化学工業(572),資生堂(567),三菱ケミカルG(566),三井化学(561),東ソー(558)
●ランキングIV(年収500~550万円@30歳)
UBE(546),日本化薬(541),カネカ(535),日本ゼオン(533),ニフコ(528),高砂香料工業(526),デンカ(505),セントラル硝子(476),コーセー(457),東洋紡(442)
●データ無し
日本ペイントHD,日産化学,日本酸素HD,関西ペイント,日油,エア・ウォーター,ポーラ・オルビスHD,コスモエネルギーHD,エフピコ,ADEKA,クレハ,住友ベークライト,アイカ工業,東亞合成,トクヤマ,アース製薬,日本曹達,三洋化成工業,サカタインクス,タキロンシーアイ,ニチレキ,日本コークス工業,東亜石油,ビーピー・カストロール,富士石油,ユシロ化学工業,MORESCO,日本精蝋,東京応化工業

※1 化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界+α

★年収と就職難易度のマトリックス表★


 「同じ年収であれば、簡単に入ることが出来る企業が良い。」を定量化するために、上記の年収に加えて、就職/転職難易度を調査しました。就職/転職難易度は、様々なデータがあるため、有名どころ(私が知っている)で2つのサイト(転職・就活ノマドサラリーマンブログ2ch)により実施しました。同じ就職/転職難易度であれば、年収が高い方を選ぶことで、コスパよく転職/就活が出来るはずです。
 例えば、ノマドサイトの表で、年収ランキングIの高年収グループにはENEOS富士フイルム、出光興産がありますが、その中でも年収は高いが、就職難易度が低いのは出光興産です。富士フイルムは出光興産と同等ランクですが、就職四季報による就職ランキング上位300位に入っており(表中の青文字)、難易度はより高いからです。
 他の例としては、今度は2chの方の表から、年収ランキングを1つ下げたランクIIを見てみると、就職難易度が最も低いのは日本触媒です。旭化成住友化学と年収は同等ランキングであるにも関わらず、より簡単に就職/転職することが出来ると考えられます。
 このように、企業を選定する際に定量的な比較が可能となる便利な表ですのでぜひお使いください。

※3
就職難易度(転職・就活ノマドサラリーマン)
I:63≦就職偏差値
II:60≦就職偏差値<63
III: 55≦就職偏差値<60
IV:就職偏差値<55
※4
就職難易度(2ch)
I:62≦就職偏差値
II:60≦就職偏差値<61
III: 58≦就職偏差値<60
IV:就職偏差値<58
※5
表中の青文字は就職四季報(2023年度)の人気企業ランキング300選(化学業界以外も含む)に入っているため、同レベルの年収の中では競争が激しいため可能であれば避けたいところ。下記は化学業界の企業の人気企業ランキングです。人気企業ランキングは、本人の働きやすさや年収と相関が必ずしもある訳でないので 、就職/転職で”人気の企業”だからといって、目指すべきものではありません。例えば、財閥系の古くからある企業はランキング上位に来たり(昔は良かったが、、、)、CMをやっているから認知度が高いなどがありますので要注意です。以下は、参考に就職四季報(2023年度)より化学業界の企業のみの抜粋です。

52位: 旭化成
53位: 資生堂
60位: 花王
61位: 富士フイルム
100位: ユニ・チャーム
121位: 三菱ケミカル
155位: AGC
207位: 住友化学
209位: カネカ
211位: 三井化学
241位: 積水化学工業
249位: アース製薬

★【補足】年収と幸福度の関係★

文献①: 科学的な適職の「給料」の項目
・給与と仕事の満足度はr=0.15の相関係数しかない。(※r=0.15は統計的にはほぼ無関係と言えるレベル)フロリダ大学研究、先行研究86件から(アメリカ、日本、インド、タイなどあらゆる文化圏から)
⇒(ブログ主コメント)あくまで仕事の満足度データであり、幸福とは別の話と受け取りました。
・年収800万円が幸福度のピーク(ノーベル賞受賞者ダニエル・カーネマンの研究)
・年収400~500万円からの幸福度アップは費用体効果が悪い(内閣府調査など)
⇒(ブログ主コメント)費用体効果が悪いと言っているだけで、年収は1000万円ぐらいまで満足度がUPしている結果となっています。本の中でも、あくまで費用対効果の問題であると著者記述もあり。

※5 年収は本記載の範囲の(最大値+最小値)/2でグラフ作成。
・給料UPの効果は1年しか続かない。
⇒(ブログ主コメント)1年でも幸福になれるならそれでよくない?と思ってしまいます。

文献②: 米国3万3千人のデータ
・生活の満足度にも幸福度にも上限はなく、年収と共に増える。
⇒(ブログ主コメント)日本ではなく、米国のデータであることが気になるところ。ちなみに上の文献①は日本の調査。


https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2016976118

 上記文献①、②を組み合わせると、コスパや仕事の満足度はどうであれ年収1000万円までは“幸福度”が上がると考えて良さそうですね。今回の年収は30歳のものを記載しており、化学業界のどの会社も平均値1000万円は到達していないので(MAXはENEOSの689万円)、より年収の高い企業を目指して、就職/転職することは幸福につながりそうです。

★【補足】化学業界の年収幅★
苦しかったときの話をしようか」で、業種を選んだ時点で年収が決まるため、業種を選ぶことが重要であることが述べられており、確かになぁと思っております。化学業界においては、30歳の平均年収の差は500万円~700万円で200万円程度であり、もちろん200万円は大きいですが、その程度であることは理解しておかなければ。。。

★【就職難易度について】みんなが入りたいと思う企業に入ると1/3の人は失敗する★
 就職難易度の高い企業とはすなわち、みんなが入りたい企業です。みんなが入りたいと思う企業に入ったその先はどうなるのでしょうか?「仕事選びのアートとサイエンス」という本によると、1999年当時の就職人気ランキングのうち、1/3は会社の消滅や、吸収・合併で別の会社になっているそうです。この本は、良い会社の予測は難しいと説いています。私は個人的に納得のいく形でキャリアを作ることが重要な気がします。このブログでは複数の定量的な指標で自分の価値観に会う会社を探していきたいと思っております。

★その他の「企業比較」の記事はこちら★
jobofferdiary.hatenablog.com

★本記事の第二弾★
jobofferdiary.hatenablog.com

★化学業界の「個別企業研究」の記事★
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