化学業界の企業における学歴と生涯給料

 化学業界の企業の社会人となってから、中学を卒業する時点で、生涯賃金の観点から最終学歴をどうするのが良いのか悩むべきだったと今更ながら思います。後追いですが、最終学歴の違いによる生涯年収を試算した結果を下に示します。
 生涯年収の大小の結論としては、高卒に対して、高専卒と大学卒は約+4000万円、大学院卒は約+7000万円となり、初期投資が可能なら長期的な視野においては大学院卒がベストとなります。
 さらに、化学業界の企業における高卒の方は、交代勤務となることが多く、夜勤など通常時間以外での勤務も多くなります。そういった勤務の健康への悪影響に関して、文献(科学的な適職)には以下の記載がありました。
・日勤以外の勤務は糖尿病の発症リスクが42%上昇する。
・年に50日以上、日勤以外の勤務を続けた人は6.5歳ほど脳が衰える。
 化学業界の企業によっては、交代勤務の手当などが非常に高く、一時的には大学院卒同等以上の給料になることもあるかもしれませんが、高卒は病気リスクを上げながら給料をもらうという形になります。
 つまり、学費という初期投資さえしっかり出来るのであれば、化学業界の企業の働く場合は、大学院まで卒業することで、糖尿病の発症リスクを42%抑えた上で、生涯賃金7000万円を手に入れることが出来るため、長期的な視点に立てばお得という結論となります。



※1
年収は厚生労働省のデータを参照。製造業(従業員1000人以上)、男。
www.e-stat.go.jp

※2
高卒の方が化学業界の製造現場で運転勤務を行う場合は、運転環境がとても大事です。以下、具体例です。
〇石油業界
石油業界は基本的に配管で全て繋がっているので、夏場バルブの開け閉めを外作業で行うのが最大の難所です。
〇樹脂/合成ゴム業界
石油業界よりも大変かも。樹脂や合成ゴムなどは固形分が排出されるため、①汚れの掃除が大変②重量物の運搬が生じる。
半導体業界
上記2つよりも環境は良い。クリーンルームは花粉すら飛んでいない。温度/湿度も調節されている。一方で、製品プロセスの都合上、部屋のライトが青色とか黄色とかの可能性もあり、体調崩すかもしれません。就職する前に耐性を確認しておいた方がいいかもしれません。

★博士課程の位置付け★
 日本企業は博士課程の採用に残念ながら、積極的ではありません。(参考文献)
理由①: 企業が求める人材には、博士を持っている必要がないため
理由②: 博士人材に見合った処遇が出来ないため

 日本の企業で働く場合は、博士まで進学する必要はないですが、海外では博士課程の称号は非常に重要になってきます。日本の人口が減少していく中で、長期的には海外で働くことも視野に入れていく必要もあります。今後の記事で、化学業界において海外で働くことのメリット/デメリットを調査していきたいですね。

博士課程に関して興味深い記事↓
大学教員の両親が博士号を持っている割合は一般人の25倍だそうです。
gigazine.net

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jobofferdiary.hatenablog.com