化学業界の企業における残業時間と病気リスクを比較~BESTホワイト企業は三洋化成工業~

 就職/転職する際には、企業ごとの残業時間など気にするでしょう。残業時間と病気リスクに関する研究は「科学的な適職」で紹介されておりましたので、化学業界の企業の残業時間をまとめ、その病気リスクを比較しました。

鈴木祐著「科学的な適職」を参考に以下ランク基準作成。
●ランキングI: 週の労働時間≦40時間
健康リスクはない。
●ランキングII: 41時間≦週の労働時間≦48時間
脳卒中が起きるリスクが10%高まる
●ランキングIII: 55時間≦週の労働時間
脳卒中リスクが33%、心疾患リスクが13%、糖尿病リスクが30%高まる』


★残業時間ランキング★

 ランキングIの企業は三洋化成工業のみであり、ランキングIIの脳卒中が生じるリスクが10%高まる企業がそれ以外全てでした。ランキングIIIの企業はなしです。
 すなわち、日本の化学業界の企業に就職した場合は、ほとんどの確率で脳卒中リスクが10%高まるという結果となります。その中でも、残業時間が低い企業を選択できるようにランキングIIの中でも①~④と残業時間が短い順にランキング付けをしましたので、参考にしてみてください。

●ランキングI: 週の労働時間=40時間(健康リスクなし)
三洋化成工業

●ランキングII①: 週の労働時間=41時間(脳卒中が起きるリスクが10%高まる)
東洋インキSCHD,セントラル硝子,コーセー,関西ペイント,東亞合成,サカタインクス,クレハ,アース製薬,日本曹達,東洋紡,エフピコ,小林製薬,日本ペイントHD,アイカ工業,デンカ

●ランキングII②: 週の労働時間=42時間(脳卒中が起きるリスクが10%高まる)
トクヤマ,クラレ,DIC,日本化薬,ライオン,住友ベークライト,出光興産,日油,高砂香料工業,帝人,三菱瓦斯化学,信越化学工業

●ランキングII③: 週の労働時間=43時間(脳卒中が起きるリスクが10%高まる)
日本ゼオン,東ソー,ADEKA,日本触媒,UBE,カネカ,エア・ウォーター,ダイセル,JSR,東京応化工業,コスモエネルギーHD,富士フイルムHD,旭化成,昭和電工

●ランキングII④: 44時間≦週の労働時間(脳卒中が起きるリスクが10%高まる)
ユニ・チャーム,日本コークス工業,日東電工,積水化学工業,資生堂,住友化学,日産化学,東レ,三菱ケミカルG,AGC,三井化学,花王,ENEOSHD,ニフコ

●データ無し
日本酸素HD,ポーラ・オルビスHD,タキロンシーアイ,ニチレキ,東亜石油,ビーピー・カストロール,富士石油,ユシロ化学工業,MORESCO,日本精蝋

※1 化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界+α
※2 残業時間は就職四季報から取得(2018年データ)。定時時間は8時間45分×5日=38.8時間とした。
※3 日本化薬, 住友ベークライト, 旭化成, ENEOSHDは、管理職抜きの値ですので、比較に関しては参考程度の値です。おそらく管理職を入れると残業時間が伸びると思いますので、本来の値より短く出ている可能性が高いです。
※4 健康リスクを恐れる場合は、残業をほぼしてはいけないという結論になります。泣

【参考】三洋化成工業は、どんな会社?
 1つの製品にとらわれることなく、複数の機能に応じて様々な製品を取り扱っているようです。HPを見ていて驚いたのは、会社がSANYO CHEMICAL MAGAZINEと呼ばれるおしゃれなWEB雑誌(?)を発行しており、これがなかなか面白いです。化学製品の話をするだけの雑誌ではなく、京都の街並みを撮影したり、化学業界にとらわれず挑戦する人へのインタビューをしております。飛行機の中の無料雑誌みたいな感じです。正直、直接的に会社の利益に貢献するような雑誌ではないですが、こういった幅広い視野をもとに経営しているようで従業員は働きやすそうな印象を受けました。今後に期待ですね。

★化学業界の「個別企業研究」の記事★
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