『三洋化成工業』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、三洋化成工業について調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第60位となっており、低めのランキング順位となっております。ただし、三洋化成工業は“プラチナえるぼし”、”プラチナくるみん”を同時に満たしている化学業界唯一の企業であり、子育てを目指している女性にはおすすめの企業です。それだけではなく、残業時間は化学業界の中で最も少なく、平均的な残業時間で健康リスクのない企業となっております
 また、当ブログ特有の転職出来る力を蓄えることの出来る企業のNo1にもノミネートされております。若い内から大きな仕事を任さられ、細かい重箱の隅をつつくような仕事ではなく、川上から川下まで製品に携われ、特許も出願し転職で持ち運べる頭の良さの証明を得やすい企業です

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★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 三洋化成工業において、安定して儲かっている事業は、「石油・輸送機産業関連分野」です。文献(※1)において、売上と利益の相関係数(R2)が0.7以上であれば、安定して儲かっている事業分野とされております。残念ながら「石油・輸送機産業関連分野」は、R2が0.7を超えてはいないですが、他の事業分野よりはR2は高く、相対的に安定していると言えます。また、「プラスチック・繊維産業関連分野」はR2 0.41とそこそこで、それ以外の分野は0.2以下と全く安定しておりません。「環境・住設産業関連分野」に関しては、売れば売るほど利益が下がっている状況です。これらより、三洋化成工業は、比較的安定している「石油・輸送機産業関連分野」に、研究開発や設備投資を割り当てていく、戦略が良さそうですが、実情はどうでしょうか?

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 研究開発費の事業分野ごとの配分変化は進んでおらず、2015年から全く変化がありません。一方で設備投資費に関しては、「生活・健康産業関連分野」から「石油・輸送機産業関連分野」と「プラスチック・繊維産業関連分野」のそれぞれ割合として10%ずつ分配しております。比較的儲かっている「石油・輸送機産業関連分野」への事業分野への投資を多くするように、変化しております。
 しかし、「「マッキンゼー ホッケースティック戦略―成長戦略の策定と実行
」によると、10年間で設備投資の50%以上を見直した企業は5割以上も大きな価値を生み出しているという調査結果があり、設備投資の見直しの1つの基準として50%があります。三洋化成工業は、この50%には届かないですが、戦略の大きな方向性は良いでしょう。
 一方で、気になるのが、研究開発費の総額は増えていないことと、設備投資費においては、むしろ総額は減っています(2021年は2015年対比70%程度)。企業の永続的な成長に向けては、設備投資や研究開発に割り当てていくことは長期的に重要ですが、それらがキープまたは減少という状況は良くないですね。上記の通り、儲かっている事業分野の投資割合を増やすという戦略性の方向性は間違っていないので、この先その効果が実を結び、長期的な成長のきっかけになることを願っています。化学系の企業の中で、これだけ子供や女性を大事にしている企業は少ないので、個人的には発展して欲しい企業です。






※2014年より以前は、研究開発費/設備投資費 ともに、事業分野ごとの値は掲載されておりませんでした。2015年に透明性のある経営に向けて、気持ちを入れ替えたのでしょうか?

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