『レゾナック』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、レゾナックについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第24位となっており、ミドルレベルとなっております。技術力以外は、そこそこのランキングで標準的な会社です。
ただし、近年のレゾナックは日立化成の買収、鉛蓄電池やアルミ缶などの事業を売却するなど、圧倒的なポートフォリオの転換を繰り広げております。それだけに留まらず、石油化学事業の分離も考えており、経営資源の集中を進めております。今回は、過去10年の軌跡を見ていきたいと思います。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 2013年から2021年の間の各事業分野における売上と利益の相関から、戦略を見ていきましょう。文献(※1)によると、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上であれば、安定した利益が得られるとされております。
 化学品、エレクトロニクス、無機分野におけるR2は、それぞれ0.84、0.70、0.96であり、安定した利益が得られております。一方で、石油化学とアルミニウムは安定した利益を得られておりません。すなわち、レゾナック(昭和電工)は化学品、エレクトロニクス、無機分野に注力して投資を集中すべきです。結果は皆さんの知る通りですが、、、




※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分変化★

 2020年に日立化成を買収し、昭和電工マテリアルズが発足しております。化学品、エレクトロニクス、無機分野は順調であり、その安定感にとらわれることなく、さらなる成長を目指して、自分自身よりも時価総額の高い日立化成を買収したのです。昭和電工マテリアルズは、2021年時点で研究開発費割合は61%、設備投資費割合は45%となっており、50%程度はポートフォリオの転換が進んでおります。さらにそれだけではなく、上記の通りイマイチなアルミ事業も売却。鉛蓄電池事業も売却。ポートフォリオの転換をどんどん進めております。
 「「マッキンゼー ホッケースティック戦略―成長戦略の策定と実行
」によると、10年間で設備投資の50%以上を見直しているかどうかを成長する企業の1つの指標としておりますが、レゾナック(昭和電工)はそのレベルに達しております。これからが楽しみな企業です。






★「レゾナック」に関する参考文献★
「計算科学人材が集まり切り捨てた事業は交渉力を強化、レゾナックの「脱日本的経営」」
「1兆円買収で誕生したレゾナック 戸惑う6割の社員の活性化なるか」

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