『アイカ工業』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、アイカ工業について調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第36位となっており、MIDDLEレベルとなっております。年収と成長性は低め、技術力と働きやすさはそこそこ、安定性は高めのレベルです。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 アイカ工業における事業分野ごとにきちんと利益を得られているかを調査し、アイカ工業の戦略について考えていきたいと思います。文献(※1)によると、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上であれば、安定して収益を得られている事業分野と判断することができます。アイカ工業の事業分野である化成品、建築建材のR2はそれぞれ、0.58、0.77であり、建築建材は安定した収益を得られております。
 すなわち、アイカ工業は、建築建材に事業をシフトいくべきと考えることが出来ますが、実際にこの10年間でどういった戦略で投資の配分見直しを進めてきたのかを次章で見ていきましょう。



※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」
※2 データ比較がしやすくなるように、建装建材=建装材+住器建材としてまとめた。

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 事業分野ごとの研究開発費割合は2013年対比で2022年において、建築建材10%DOWN、電子3% DOWN分、化成品13%UPしております。上記の売上と利益の相関解析から想定していたのは、化成品がDOWNしていき、建築建材がUPでしたが、実際にアイカ工業がとった戦略は逆ですね。安定していない事業分野へ分配を進めるのはどうなんだろう。
 また、事業分野ごとの設備投資費割合は2013年対比で2022年において、建築建材23% DOWNした分、おおよそその分化成品が24%UPしております。設備投資費に関しても、想定していた戦略と逆ですね。。。
 様々な理由があって化成品への投資を進めているとは思いますが、「安定している、しかも利益も化成品対比2倍も出ている」のに、化成品に集中していっているのは微妙ですね。。。
 まとめると、アイカ工業は戦略性/成長性/技術力はイマイチでありますが、現在の安定性はあるため中期的な企業の存続は問題なく、働きやすさは高めですので、就職先の1つの選択肢にはなりそうです。




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