『AGC』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、AGCについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第17位となっており、MIDDLEレベルとなっております。年収と働きやすさはまずまずで、企業としての成長性(時価総額の高さ)と安定性(外部機関による信用)は高いので、就職というより投資に向いている会社かもしれません。
 ニッチな話ではありますが、海外で働きたい、化工人材におすすめの企業です。海外売上比率も高く、設備投資費も高いため、大規模な海外設備検討が実施でき、化工系人材にとってはやりがいのある仕事が出来そうです。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 AGCの事業分野ごとの安定した利益が得られている分野かどうかを判別して、あるべき戦略を紐解いていこうと思います。解析方法としては、文献(※1)を参考にすると、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)から判断し、0.7以上であれば安定した利益を稼いでいる分野と判断しております。
 下図が各分野における売上と利益のプロットです。化学品のR2は0.92と安定した利益を稼げていることが分かります。一方で、ガラス・電子のR2はそれぞれ0.23、0.51と低めの値です。特にガラスは、赤字になったことがあり、祖業とはいえイマイチです。これらのことより、「化学品への投資を増やし、ガラス・電子などのその他の分野の投資を減らすべき」、というのがAGCのあるべき戦略だと思います。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 それでは、それぞれの分野のどのような戦略で投資の配分見直しを過去に実施してきているかを確認していきましょう。研究開発費に関して、事業分野間での配分見直しは実施されておりません。一方で、設備投資費に関しては日本の化学業界の企業の中では、大胆に配分見直しを実施しております。2013年対比2022年における、ガラスへの投資費は33%下がっており、その分化学品が31%上がっております(電子部品も微増)。「マッキンゼー ホッケースティック戦略―成長戦略の策定と実行」によると、10年間で設備投資の50%以上を見直した企業は、めちゃくちゃ成長しているとのことです。この50%の配分見直しまではないですが、30%は英断ですね。
 これまでをまとめますと、AGCは大胆な配分見直しを実施し、成長性/安定性は優れ長期的な安定は保証されておりますが、働きやすさのランクはそこまで高くないです。




AGC 学閥(2022年)★
 AGC慶應義塾大出身の方が多いようです。

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