『日本ゼオン』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、日本ゼオンについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第24位となっており、まずまずのランキング順位となっております。技術力と安定性に関してはTOPクラスであり、投資などの対象としては良いですが、年収と働きやすさがイマイチです。
 ただし、当ブログが独自でランキングした転職できる力を蓄える企業としてはTOPクラスです日本ゼオンでは、若い内から大きな仕事を、川上から川下まで扱える企業です。2ch(※1)では就職難易度・偏差値58で上記企業中の23位、転職・就活ノマドサラリーマン(※2)のブログでは、就職難易度・偏差値62で上記企業中の12位と、めちゃくちゃ就職/転職が難しい訳ではないので、まずは日本ゼオンに就職してから徐々に上を目指しいくのも手かもしれません。

※1 就職偏差値(転職・就活ノマドサラリーマン)
※2 就職偏差値(2ch)

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 日本ゼオンにおける事業分野は大きく分けて2つあり、「エラストマー素材事業部門」と「高機能材料事業部門」があります。売上と営業利益の相関を表す決定係数(R2)はそれぞれ、0.01、0.97と正反対な事業分野となります。「高機能材料事業部門」は、売上が増えれば、それに伴い利益が増える、安定した事業分野となります。一方で、「エラストマー素材事業部門」は不安定です。海外の化学業界の企業の儲かっている事業部門の最大値が0.97であることを考慮すると(DuPont 工業生物学,※3)、「高機能材料事業部門」のR2は驚異的な数値であり、素晴らしい事業分野です。
 日本ゼオンはこの「高機能材料事業部門」を育てていく、すなわち、「エラストマー素材事業部門」にかける投資を減らして、「高機能材料事業部門」にシフトしていくことが重要です。では、この10年日本ゼオンがどのように投資を再分配していったのか見ていきましょう。

※3 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 研究開発費に関しては、2011年以降配分変化は、ほとんど進んでおりません。一方で、設備投資費に関しては、2011年からの11年間で、「エラストマー素材事業部門」から「高機能材料事業部門」に10%分が分配されております。文献(※4)によると、大きく成長する企業は、設備投資の50%の見直しをしているという基準があり、その50%には届かないですが、投資の再分配の方向性は間違っていない、というのが日本ゼオンの現状です。もう少し頑張って欲しいところです。。。






※4 「マッキンゼー ホッケースティック戦略―成長戦略の策定と実行

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