『三井化学』への就職/転職に向けた企業研究

今回は、三井化学について調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第9位となっており、Topランクにいます。技術力と年収に関しては、通常レベルですが、Topレベルの安定性と成長性に加えて、働きやすさはピカイチです。私が就職活動していた際は、”人の三井”と人事の方もおっしゃっていた気がします。働きやすさの定量的な指標である、新入社員の3年後離職率は、平均<6%、標準偏差<2%(2017~2021年)です。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 事業の技術力/安定性/成長性は、バランス良いですが、各事業分野がどれほど稼げているか見ていきましょう。売上に対する営業利益の相関を表す決定係数(R2)に着目して、R2が高い方が稼げる事業分野、R2が低い方が稼げていない事業分野と判別します。その境目は文献(※1)で、R2が0.7以上か否かです。モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング、基盤材料のR2はそれぞれ、0.45、0.56、0.47、0.46です。どれも、基準は満たしてはいませんが、どれもめちゃくちゃR2が低い訳でもなく、日本企業の中では”無難”な感じがします。
 一般的には、ヘルスケア分野のR2は高くなることが多いですが、三井化学はそこまでではないみたいです。当然ですが、稼ぎやすい事業分野を選択することに加えて、それに甘んじることなく、利益を出す技術力が必要ですが、そこまではないみたいです。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分割合★
 三井化学の事業分野の力の入れ具合を確認するために、設備投資費、研究開発費の年次変化を追っていきましょう。各事業の研究開発費の割合は微動だにせず、設備投資費の割合は、ブレが多いですが、2016年対比で2021年は、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング、基盤素材それぞれ、-7%、-12%、+14%、+12%となっています。モビリティとヘルスケアから、フード&パッケージング、基盤素材へ設備投資を再分配しております。先ほども書いたように、どの分野も稼げる力には対して差がないですが、一般的には稼ぎやすい分野のヘルスケアに注力することが考えられますが、どうも三井化学は時代の流れとは逆行しているようです。
 それよりも気になるのは、設備投資費の絶対値は2016年対比で4倍にもなっています。他の化学メーカーでここまで伸びている会社もないですので、設備投資に力を入れていることが分かるでしょう。例えば、これを読んでくださっている方が化学工学系の出身であれば、三井化学に入れば、たくさんの仕事が待っているでしょう。




★関連記事★
jobofferdiary.hatenablog.com
jobofferdiary.hatenablog.com