『日産化学』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、日産化学について調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第12位となっており、Topレベルとなっております。技術力/安定性/成長性ともに高く、企業としての将来性は文句なしです。
 下記年収項目はOPEN WORKから調査したのですが、OPEN WORKには日産化学の30歳年収の値が掲載されておりませんでしたので、ランキングとしては、低くでております。ただし、有価証券報告書に記載された年収に関して、年収を他の企業と比較した結果、HDを除いた企業の中では年収は高めに位置しており、年収は高い企業と結論づけられるできるため、安心してください。
 また、日産化学は、PBRが高く、女性で出世しやすく かつ 社員教育が充実している企業でもありますので、就職/転職でこれらの項目を重視する人にはオススメの企業です。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 日産化学の事業分野を、売上と営業利益の相関を表す決定係数(R2)から安定して儲かっているかどうかを判断していきましょう。文献(※1)より、R2の基準は0.7です。日産化学は、0.7を超える事業分野を、4つ持っております。「農薬化学品」、「医薬品」、「卸売」、「その他」です。ただし、「卸売」は、R2は高いですが、売上に対して利益が変わっておらず、R2が高くなっているため、一概に儲かっているとは言えません。売上、利益の規模からも農薬化学品が安定しているのは大きいですね。
 日産化学のあるべき戦略としては、農業化学品と今後の伸びに期待の医薬品に、設備投資や研究開発費を投入すべきだと考えられます。

参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 この9年間の実績は、上記のあるべき姿である戦略(設備投資費と研究開発費に関して農業化学品と医薬品への配分を増やす戦略)とは異なるようです。研究開発費は、2013年から2021年までほとんど変わっていません。2016年ごろ、機能性材料の研究開発費が上がっておりますが、2021年には上がった分が元通りになっております。せっかく、農薬化学品と医薬品が安定して儲かっているのですが、そちらに投資していくように見直しを進めて欲しいものです。
 また、残念なのが、設備投資費に関して、各年で分野ごとの値は公開されておらず、ポツポツと一部の分野の設備投資費とトータルの設備投資費しか掲載されておりません。中途半端で、微妙ですね。。。(透明性が低い)
 とはいえ、現状は安定して儲かっている分野も主要分野で、今後も発展していくはずですが、分野ごとの強弱/メリハリがついておらず、長期的には事業分野の戦略の見直しを行わない甘さから、不安定になっていくかもしれません。


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