技術力が高い化学業界の企業~信越化学工業、日産化学、日油~

 化学業界の企業における高い技術力とは、売れる分野の製品を選択/製造し、その上でコストダウンや生産性最大化などのような製造技術力を有していることが重要だと考えられます。
技術力 = 製品分野選定能力+製造技術力
 製造技術力と製品分野選定能力を定量化できれば、化学業界の企業のランキングを作成でき、就職/転職活動において自信をもってできるようになるはずです。
 製品分野の選定は、過去記事で詳細を記述しましたように、売上に対して利益がきちんと得られるような(規模の理論が働く)分野であることが大事でしょう。つまり、売上と利益をプロットしたときのR2値が定量指標となります。医療分野や農業分野が規模の理論がはたらきやすいと言われています。
 今回の主題は製造技術力です。製造技術力の指標として、ROA(当期純利益 ÷ 総資産 × 100)を採用しました。総資産である工場などの設備から、どれだけの利益を生み出しているかは、まさしく製造技術力だと考えました。

★製造技術力ランキング★
●ランキングI: 8%≦ROA
日産化学(14),信越化学工業(12),ビーピー・カストロール(11),東ソー(10),日油(9),日東電工(9),東京応化工業(8),ニチレキ(8),小林製薬(8)
●ランキングII: 6%≦ROA<8%
トクヤマ(7),ニフコ(7),日本ゼオン(7),ユニ・チャーム(7),日本コークス工業(6),MORESCO(6),花王(6),コスモエネルギーHD(6),アース製薬(6),ライオン(6),ポーラ・オルビスHD(6),富士フイルムHD(6),JSR(6)
●ランキングIII: 5%≦ROA<6%
出光興産(5),三井化学(5),日本曹達(5),日本化薬(5),アイカ工業(5),東亞合成(5),富士石油(5),ENEOSHD(5),三菱瓦斯化学(5),クレハ(5),住友ベークライト(5),ADEKA(5),AGC(5),高砂香料工業(5),タキロンシーアイ(5),旭化成(5),デンカ(5)
●ランキングIV: 3%≦ROA<5%
日本触媒(4),関西ペイント(4),エア・ウォーター(4),ダイセル(4),エフピコ(4),コーセー(4),住友化学(4),カネカ(4),三洋化成工業(3),UBE(3),資生堂(3),サカタインクス(3),日本酸素HD(3),積水化学工業(3),クラレ(3),三菱ケミカルG(3),東レ(3),日本ペイントHD(3),東洋紡(3)
●ランキングV: ROA<3%
東洋インキSCHD(2),東亜石油(2),帝人(2),日本精蝋(1),ユシロ化学工業(1),DIC(0),レゾナック(-1),セントラル硝子(-14)
※1 化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界+α
※2 2022年8月時データ

★製品分野選定能力と製造技術力を両立する企業★
 下表より、信越化学工業、日産化学、日油です。信越化学工業は、時価総額を含めた様々な定量指標においてNo1ですが(過去記事)、日産化学/日油は技術力が高いですが学生への人気は高いという訳ではないため穴場企業ですね(過去記事)。

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