『日油』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、日油について調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第18位となっており、中間順位となっております。技術力、安定性、成長性に関しては問題ないです、年収は以下のランキングでは、OPEN WORKの30歳年収でランキング化しており、データが無かったため、最低ランキングに位置しておりますが、別の年収ランキング(有価証券報告書)では5段階ランキングのうちで2番目のランキングに位置しておりますので、化学業界の中では高いでしょう。働きやすさは中間レベルぐらいです。すなわち、企業の存続は問題ないですが、従業員目線の部分(給与や働きやすさ)はそこそこという感じでしょうか。
ただし、就職難易度が高い割には、働きやすい企業ではないため、頑張って入っても、、、という感じは否めません。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 それでは、日油の事業分野ごとの分析により、日油の戦略を確認していきましょう。文献(※1)より、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上の分野は、安定して儲かっていると言えます。日油はその他の事業分野以外の全ての分野において、R2が0.7を超えており、抜群の安定性を誇っております。他の会社でも同様の分析をしておりますが、R2が0.7を超えている分野は1つあるかないか、ない企業も多い中で、素晴らしいです。企業の存続という観点からは、まったく心配する必要がないでしょう。
 R2はどの事業分野も高いですが、ライフサイエンス(0.97)、機能化学品(0.88)、化薬事業(0.71)の順でR2は高いです。すなわち、ライフサイエンスに投資を集中していくことで、さらなる安定化につながるでしょうが、実際の投資配分の見直しはどうしてきたんでしょうか?そちらも調べました。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 研究開発費に関しては、2014年以前は事業分野ごとのデータが有価証券報告書に記載がなかったため、2015年以降のデータとなります。研究開発費の配分見直しに関しては2015年対比2022年の値に関して、化薬事業で6% DOWN、機能化学品事業で5% DOWNしている分、ライフサイエンスで8% UP、コーポレート研究で2% UPしています。上記の安定性指標(R2値)で、想定できる戦略通り、ライフサイエンスに集約を進めております。コーポレート研究はまだ事業になっていないが、長期的な安定に向けた種まきも着実に進めております。
 設備投資費の事情分野 配分見直しに関しては、2012年対比2022年は化薬事業が30% DOWN、ライフサイエンスが33% UPと、やはりライフサイエンスへの投資を集約しております。
 研究開発費、設備投資費ともに、ライフサイエンスに集中しており、特に設備投資費に関しては30%と大きく再分配しており、現状の安定に満足することなく、変革を進めております。
 まとめると、企業の存続は全く問題ないため、そこら辺が不安な方にはおすすめの企業です。ただし、入社するのは難しいですが、働きやすさはそこそこなため、そこは注意が必要ですね。




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