長期的な視点では、企業が存続し利益を出し続けることは重要ですが、転職が多いこのご時世で最も重要なのは、転職できる自分の力を身につけるべく、就職した化学メーカーできちんと力を蓄えることできるかどうかです。
化学メーカー勤務における自分自身の成長を考えたときに、仕事の規模(扱える金額)や、若い内から仕事を任される環境を選ぶことは重要です。それぞれに関して、定量的に化学メーカーを比較しました。若い内はしょぼい仕事しか任されずに、我慢という会社に就職してしまうと、我慢している間に会社の業績が不安定となったときに、露頭に迷ってしまいます。
・仕事の規模(扱える金額)の定量指標⇒売上高/従業員(百万円/人)が多いかどうか
・若い内から仕事を任される環境かどうかの定量指標⇒平均年齢(年)が若いかどうか
★仕事の規模ランキング★
●ランキングI: 100≦売上高/従業員(百万円/人)
富士石油(692),出光興産(471),コスモエネルギーHD(343),ENEOSHD(261),日本コークス工業(121),ユシロ化学工業(120),日本精蝋(116),ビーピー･カストロール(116)
●ランキングII: 70≦売上高/従業員(百万円/人)＜100
日本ゼオン(91),三井化学(86),信越化学工業(83),日本触媒(82),住友化学(80),三洋化成工業(77),東京応化工業(77),日産化学(76),三菱瓦斯化学(71),MORESCO(71)
●ランキングIII: 50≦売上高/従業員(百万円/人)＜70
ADEKA(68),UBE(67),東ソー(66),東亞合成(62),カネカ(61),デンカ(61),三菱ケミカルG(57),クラレ(56),日本曹達(55),レゾナック(54),旭化成(53),東亜石油(52),トクヤマ(52),日油(51)
●ランキングIV: 40≦売上高/従業員(百万円/人)＜50
日本酸素HD(49),ライオン(48),ユニ･チャーム(48),エア･ウォーター(46),東レ(46),アース製薬(45),小林製薬(45),タキロンシーアイ(44),積水化学工業(44),アイカ工業(43),高砂香料工業(43),帝人(42),花王(42),ダイセル(42),ポーラ･オルビスHD(42),エフピコ(41),クレハ(40)
●ランキングV: 売上高/従業員(百万円/人)＜40
サカタインクス(38),DIC(38),セントラル硝子(38),東洋インキSCHD(37),東洋紡(36),JSR(35),富士フイルムHD(33),住友ベークライト(33),日本ペイントHD(33),日東電工(33),日本化薬(32),AGC(30),資生堂(29),ニフコ(28),関西ペイント(27),コーセー(26),ニチレキ(5)
※1 化学業界売上高ランキング50位まで＋石油化学業界＋α
※2 2023年2月時データ
★仕事の任されやすさランキング★
●ランキングI: 平均年齢≦40歳
セントラル硝子(37.3),東ソー(38.4),ADEKA(38.5),日本触媒(38.7),資生堂(38.9),JSR(39.2),東レ(39.7)
●ランキングII: 40歳≦平均年齢＜41歳
日本ゼオン(40),日産化学(40.2),花王(40.5),日東電工(40.5),日本コークス工業(40.5),アイカ工業(40.6),日本化薬(40.6),三洋化成工業(40.6),小林製薬(40.7),デンカ(40.8),高砂香料工業(40.8),三菱瓦斯化学(40.9),三井化学(40.9),日本精蝋(40.9)
●ランキングIII: 41歳≦平均年齢＜43歳
エフピコ(41),レゾナック(41.1),ニフコ(41.1),住友化学(41.2),東洋紡(41.2),旭化成(41.3),コーセー(41.3),カネカ(41.3),トクヤマ(41.4),ユニ･チャーム(41.4),クラレ(41.6),ダイセル(41.9),出光興産(42.2),信越化学工業(42.2),UBE(42.4),アース製薬(42.6),サカタインクス(42.6),東京応化工業(42.7)
●ランキングIV: 43歳≦平均年齢
MORESCO(43),東亜石油(43.1),日油(43.4),AGC(43.4),富士石油(43.5),積水化学工業(43.6),関西ペイント(43.6),日本曹達(43.6),クレハ(43.8),DIC(43.9),ライオン(43.9),タキロンシーアイ(43.9),ユシロ化学工業(44),帝人(44.3),東亞合成(44.7),ビーピー･カストロール(46.2),住友ベークライト(46.9)
●ランキングV: ホールディングス(HD)のため、情報がきちんと得られず比較不可
ニチレキ(HD),富士フイルムHD(HD),日本ペイントHD(HD),ENEOSHD(HD),三菱ケミカルG(HD),日本酸素HD(HD),エア･ウォーター(HD),ポーラ･オルビスHD(HD),コスモエネルギーHD(HD),東洋インキSCHD(HD)
★「仕事の規模」と「仕事の任されやすさ」を両立する企業★
下表より、「仕事の規模」と「仕事の任されやすさ」を両立する企業は、日本ゼオン、日本触媒、日本コークス工業、日本精蝋です。石油系の業界は、薄利多売であることより、売上が高いため、1人当たりの売上も高くなり、扱う仕事の規模も大きくなります。ただし、石油系の業界は古臭さも少し残っているようで、平均年齢も高く、意思決定はより高齢になることが必要となってくるようで、仕事の大規模化と任されやさを同時に満たすことは難しそうです。
選定した日本ゼオン、日本触媒、日本コークス工業、日本精蝋などの企業は、就職難易度もそこまで高くないため(過去記事参照)、まずは就職し、力をつけてから、さらに大きな企業に年収UPを目指して、転職していくという考え方もあると思います。
※3 平均年齢の重要性に関しては、「いい会社どこにある？」P42に記載あり。興味のある方は読んでみてはどうでしょうか？
★その他の「企業比較」の記事はこちら★
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★化学業界の「個別企業研究」の記事★
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