『東亞合成』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、東亞合成について調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第36位となっており、MIDDLEレベルとなっております。技術力、年収、成長性は低いですが、安定性や働きやすさはTOPクラスとなっております。中期的には企業の存続は問題なく、働きやすい企業といえるでしょう。
また、過去の調査において、東亞合成は就業人員がコンパクトであるため、細かく分業されている訳ではなく、1つの製品に関して川上から川下まで扱えるため、やりがいを他の化学業界の企業よりは”やりがい”を感じられるはずです

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 事業分野ごとにどれぐらい安定して儲かっているかを調査し、東亞合成の戦略を考えてみます。2017年に事業分野を調整しており、大雑把にはアクリル製品事業と機能製品事業の2つの事業が、ポリマー・オリゴマー事業と接着材料事業と高機能材料事業の3つの事業に再編されております。
 安定して儲かっているかどうかは、文献(※1)より、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上であるかどうかで判断していきます。東亞合成の事業分野の中で、唯一R2が0.7を超えているのは、基幹化学品事業です。本当は高機能剤業事業などのR2が高くあるべきですが、一番安定しなさそうな基幹化学品事業が安定しております。他の事業分野と比較しても、売上と利益の絶対値も高いので、良い傾向ですね。
基幹化学品事業への投資を進めていくべきであることが浮き彫りになりました。実際のところはどうなんでしょうか?次の章で調査内容を記載していきます。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 複数の事業分野が混在しているので、下図は見にくいですが、ポイントを絞って説明していこうと思います。
 研究開発費の事業分野割合に関して、2012年対比2022年の値は、基礎化学品は8% DOWN、樹脂加工製品事業は12% DOWNしております。一方で、その分、その他の事業は11% UP、2017年再編分野(ポリマー・オリゴマー事業と接着材料事業と高機能材料事業)への投資も8% UPしています。基礎化学品は、上記の通り、安定しているものの、これ以上研究開発を増やしても効果が薄いのかもしれませんね。そういう意味では、次世代の種まきである”その他”分野が増えているのはGOODな気がします。
 次は設備投資費の事業分野割合に関してです。2012年対比2022年の値は、2017年再編分野(ポリマー・オリゴマー事業と接着材料事業と高機能材料事業)は50% DOWNしているのに対して、儲かって事業である基礎化学品は49% UPしております。「マッキンゼー ホッケースティック戦略―成長戦略の策定と実行」によると、10年間で設備投資の50%以上を見直しているかどうかを成長する企業の1つの指標としておりますが、東亞合成はそのレベルに達しております。JSR昭和電工(レゾナック)に引き続き素晴らしいですね。転換は簡単にできるものでありません。
 まとめると、企業の存続は基本的には問題なく、現状に甘んじることなくポートフォリオの代替な転換をきちんと行っているうえで、やりがいは高く、働きやすい企業に就職/転職したい人に東亞合成はおすすめの企業です。




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