成長性(企業視点)と働きやすさ(従業員視点)にギャップがある化学業界の企業~三菱ケミカルG~

 成長性の高い企業は、どんどん成長して、従業員も働きやすいに違いない。そんな風に短絡的に思っていませんか?ニュースを見て、成長性の高い企業を探しているだけで就職してしまうと、働きやすさとは程遠い環境の可能性もあります。
 成長性の高さと、働きやすさをそれぞれ定量的な指標を提示し、マトリックスで成長性は高いが、働きやすい訳ではない企業をあぶりだしていこうと思います。
 成長性の高さとしては、時価総額を採用しております。株は頭の良い投資家がうんうん唸って、将来の成長まで踏まえて「買い」「売り」を考えて、最終的に決まった株価から試算された時価総額は、成長性を表していると考えました。
 また、働きやすさは新入社員の3年後離職率を指標としました。単なる離職率だと、入社人数が多い世代の定年と重なり、一見離職率が増えるように見えたりと、ミスリードをしてしまう可能性があるため、新入社員の3年後離職率が妥当だと考えました。
 下図マトリックスより、三菱ケミカルGは成長性(時価総額)が高いのに、働きやすさは低ランクです。ちなみに、三菱ケミカルGは新入社員の3年後離職率が低いというよりも、未公開です。未公開にする必要がないことを、未公開にするのは、何か理由があると思われても仕方がない気がします。

※1 企業名(時価総額)で記載
※2 化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界+α
※3 成長性: 2021/7時点時価総額
I:1兆円≦時価総額
II:0.5兆円≦時価総額<1兆円
III: 0.3兆円≦時価総額<0.5兆円
IV:0.15兆円≦時価総額<0.3兆円
V:時価総額<0.15兆円
※4 働きやすさ: 3年後離職率 (就職四季報)
I: 3年後離職率 平均<6%、標準偏差<2%(2017~2021年)
II:3年後離職率 平均<6%(2017~2021年)
III:ランクI,II以外
IV:データ無し(データを公開しておらず、怪しい)

※実は過去記事の逆の視点で本記事を作成しました。こちらも参考にどうぞ。
jobofferdiary.hatenablog.com

★「三菱ケミカルG」に関する参考文献★
三菱ケミカルホールディングス シナジーに乏しき総合化学企業(週刊ダイヤモンド特集BOOKS Vol.387)――最先端か? 中途半端か?
「DXの教養 デジタル時代に求められる実践的知識」
「KAITEKI化学 サスティナブルな社会への挑戦」

★化学業界の「企業比較」の記事★
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★化学業界の「個別企業研究」の記事★
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