『コスモエネルギーHD』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、コスモエネルギーHDについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第31位となっており、中間順位となっております。技術力と働きやすさはTOPクラスですが、一方で安定性と成長性は低いです。年収に関してはOPEN WORKに掲載されておらず、比較できませんできず、ランクが低めになっております。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 事業分野ごとの儲かり度を調べることで、コスモエネルギーHDの戦略を見ていきましょう。文献(※1)によると、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上であれば、安定して儲かっていると言えます。コスモエネルギーHDの中で安定して儲かっているのは、石油開発事業のみです。(再生可能エネルギーもR2が0.7を超えておりますが、3年データしかないので参考程度です。)
 石油事業に関しては、売上を増やしたら、利益が下がっている不採算事業になってしまっていますので、早い段階で石油事業から脱却することがキーポイントになるでしょう。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 コスモエネルギーの事業分野ごとの投資に関する配分見直しの実状を確認して、コスモエネルギーの戦略を確認していきます。2012年に対する2022年の事業分野ごとの投資配分の変化(設備投資費)を調べると、下図のように、石油事業は変わらず、石油開発事業が37% DOWNし、その分石油化学事業が13% UP、再生可能エネルギー事業が26% UPしており、配分見直しを大きく進めていることは分かります。ただし、安定して儲かっている事業分野である石油開発事業の配分が減っているのは、イマイチですね。
 研究開発費に関しては、事業分野ごとの詳細の記載がありませんでしたので、全体金額の年次変化を比較すると、総額は2012年対比で2022年は1.4倍となっており、研究開発費も投資額を増やしており、長期的な成長の準備を進めております。ただし、設備投資費は少しケチっており、2016年をピークに年々減少しております。確かに、コスモエネルギーの現状を鑑みると、設備投資よりも研究開発にお金をかけて、次の柱を育てることが急務なので悪くはないかもしれません。



※2 その他事業も再生可能エネルギー事業としてまとめてグラフにプロット。

★化学業界の「個別企業研究」の記事★
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★化学業界の「企業比較」の記事★
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