『関西ペイント』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、関西ペイントについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第31位となっており、MIDDLEレベルとなっております。技術力は低く、成長性はそこそこですが、安定性と働きやすさが高い企業です。年収に関しては、下のレーダー図ではOPEN WORK 30歳の年収で比較しており、関西ペイントは転職者からの投稿情報がなく最下位のランクとなっておりますが、安心してください。有価証券報告書の年収比較をした過去記事では、トップランクとなっておりますので、年収に関しては問題なさそうです。
 また、関西ペイントは、転職を考えておらず一生働くことが出来るおすすめの企業となっております。平均勤続年数と新入社員の3年後離職率定量的に比較し、高い平均勤続年数で、かつ 離職率が低い企業として、関西ペイントは挙げられます

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 事業分野において、安定して儲かっているかどうかを判断して、関西ペイントの戦略を見極めていきたいと思います。関西ペイントは他の化学業界の企業とは異なり、事業を行う場所で事業分野が分かれているようです。また、関西ペイントは過去4年分の有価証券報告書しか公表していません。
 文献(※1)より、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上であれば、安定して儲かっていると判断できます。関西ペイントでは、日本のみR2が0.7を超えており、それ以外の事業分野では0.7を超えておりません。一般的にはグローバル化して、海外売上比率を上げていくべきですが、日本の事業がここまで安定しているのであれば、日本に積極投資を進めていくべきだと思います。実際の関西ペイントの事業戦略(投資の配分見直し)はどうだったのか調べてみました。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 2019年対比の2022年における、設備投資費と研究開発費の事業分野ごとの割合の変化を調べました。研究開発費は、日本 6% DOWN分で、欧州 5% UPしており、日本から欧州への再分配を進めているようです。設備投資費は、インド 12% DOWN分で、欧州 13% UPしており、こちらもまた欧州への積極投資を進めております。
 上図の通り、欧州の売上と利益の相関を表す係数(R2)は0.31であり、傾きはマイナスであるため、売上を上げればその分利益も下がってしまうという微妙な分野です。なぜ、そのような欧州への投資額を上げているのかは微妙ですね。。。
 まとめると、働きやすく、かつ長く働くことが出来る企業であり、企業の存続も基本的には問題ない企業に就職/転職したい人にはおすすめの企業です。一方で、企業の長期的な成長に向けた戦略がイマイチな気もしております。




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