『日本ペイントHD』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、日本ペイントHDについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第24位となっており、MIDDLEレベルとなっております。
技術力は低いですが、安定性、成長性、働きやすさはTOPクラスです。さらに、化学業界の中で、海外勤務をぜひやってみたいと思う方には日本ペイントHDはおすすめです。海外売上比率が80%と高い割に、就職難易度は低いからです。
 ただし、年収に関しては、OPEN WORK掲載の30歳年収ですが、日本ペイントは記載がなく、最低ランクになっており、さらにHD企業なので有価証券報告書の値も本社の人だけの値なのであんまり比較に意味がなさず、残念ながら、他企業との年収比較は現状出来ないです。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 日本ペイントHDの事業分野ごとに利益をきちんと出しているかを調べることで、あるべき戦略に関して考えていこうと思います。文献(※1)によると、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上であれば、利益をきちんと出していると言えます。日本ペイントHDにおけるR2が0.7を超えているのは、「アジア」(0.92)、「オセアニア」(0.99)、「米州」(0.71)です。「日本」、「その他」以外の事業分野は基準値を超えており(全事業分野のうち3/5)、特に売上と利益が最も高い分野である「アジア」で、安定しているのは素晴らしいですね。日本ペイントHDとしては、「アジア」、「オセアニア」、「米州」に投資を集中していくべきです。実際にどのような投資戦略でこの10年間、日本ペイントHDが進めてきたか調査していきたいと思います。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」
※2データの比較がしやすくなるように類似の事業分野を同一事業分野として以下のルールで比較。
・アジア=NIPSEA
オセアニア=DuluxGroup
・米州=北米

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 事業分野ごとの研究開発費の割合に関しては、2012年対比2022年は、「日本」70% DOWNした分、「アジア」55%UP、「オセアニア」11%UP、「米州」4%UPしており、安定して儲かっていない事業から儲かっている事業へ70%分再投資を進めております。
 設備投資に関しては、2012年対比2022年は、「日本」4% DOWN、「アジア」27%DOWNした分「オセアニア」で31% UP、「米州」3%UPです。「日本」のダウン割合が十分でなく、「アジア」の方が下がっており、戦略がイマイチですね。「アジア」への投資割合分が「オセアニア」に移行しているイメージです。
 研究開発費の配分見直しの戦略は素晴らしい勢いですが、設備投資の配分見直しの戦略はイマイチですね。
 まとめると、日本ペイントHDは、働きやすいうえに、会社の存続は問題なさそうです。




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