『MORESCO』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、MORESCOについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第56位となっており、低めレベルとなっております。技術力が高い以外は全て、低めの値となっております。
一方で、研究開発志望の方にはおすすめできる企業です。というのも、MORESCOは全従業員当たりの研究開発人員が多く、化学業界の企業の中でもTOPレベルです

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 MORESCOにおいて、事業分野ごとに安定して利益を出しているかを分析することで、MORESCOのあるべき戦略に関して考えていきたいと思います。有価証券報告書には過去5年分しけ掲載がなかったため、5年間のデータです。文献(※1)によると、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)が0.7以上であれば、安定して利益を出していると言えるため、この視点で分析します。残念ながら、MORESCOの全ての事業分野は、R2が0.7を超えておらず、安定して利益を出している事業分野はございません。最大R2値は、日本の0.49です。
 日本がR2はマシとはいえ、基本的には、日本の人口減少により経済は縮小していくため、海外進出に向けて進むべきだと思います。すなわち、MORESCOは、中国、東南/南アジア、北米への投資の再分配を進めていくべきです。この5年間の実績を次章で見ていきましょう。



※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分見直し★
 まずは事業分野ごとの研究開発費の割合ですが、2018年対比2022年の割合は、日本が2% DOWNした分、中国、東南/南アジア、北米が2% UPしておりますが、ほとんど変わっていないと思います。気になるのは、2018年対比2022年は全体額が88%となっており、研究開発費が下がっていることです。長期的な成長に向けては、研究開発費アップが必要ですが、その値が下がっていることは、安定性に不安があります。
 また、設備投資に関しては、有価証券報告書において、事業分野ごとの詳細の全てが記載されている訳ではありませんでした。一部の分野だけポツポツと記載されていたため、全額―その記載された一部の分野=その他分野として、プロットして設備投資の再分配を確認することとしました。設備投資費の割合における、2018年対比2022年の割合は、日本15%下がっている分、それ以外の海外において15% UPしております。一応、上述のあるべき姿の通り、縮小する日本からの撤退は進めていそうです。ただし、こちらも研究開発費と同様に、設備投資費の総額に関して、2018年対比2022年は下がっており、微妙ですね。。。
 まとめると、様々な不安要素はありますが、技術力の高さに尖りつつ、研究開発特化の企業です。海外進出も進めております。技術特化型の企業に就職/転職したい方はおすすめです。




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