『高砂香料工業』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、高砂香料工業について調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第49位となっており、低めレベルとなっております。どれも値は低いですが、安定性と働きやすさはそこそこレベルですね。
ただし、研究開発志望の方にめちゃくちゃおすすめの企業です。売上対比の研究開発費も、
全従業員対比の研究開発人員も、化学業界の企業の中ではTOPクラスです。大学の研究室時代に、研究開発にお金がなくて困ったことがある人、研究開発を選択して肩身の狭い思いをしたくない人はぜひどうでしょうか??

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 高砂香料工業の事業分野ごとに安定して儲かっているかどうかを判別していくことで、高砂香料工業の戦略について考えていきます。文献(※1)によると、売上と利益の相関を表す決定係数(R2)は0.7以上であれば、安定して儲かっていると言えます。この判断基準をもとに、高砂香料工業の事業分野を見ていくと、残念ながらどの事業分野もR2 0.7を超えておらずイマイチですね。最大でもR2は米州で0.28です。
 どこも安定していないのであれば、同じ売上に対して利益がどれほど出るかを考えていきたいと思います。日本は売上が高い割に利益が低いですし、少子化による人口減少も鑑みると、月並みですが海外に進出していくべきでしょう。実際にどのように投資の配分見直しを進めてきたか、次の章で確認していきましょう。

※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の再分配★
 有価証券報告書によると、研究開発費の事業分野ごとの詳細は記載されておらず、日本か海外かしか分かれておりません。2013年対比で2022年の事業分野ごとの研究開発費割合は、日本が7% DOWNした分、海外が7% UPしており、一応海外への投資の配分見直しを進めております。
 設備投資費に関しても事業分野ごとの詳細はなく、全額のみの記載になりますが、2013年対比で2022年は75%となっており、下がっているのは気になりますね。そもそも事業分野ごとの詳細を隠している時点で、透明性が低いと言わざるを得ないです。
 まとめると、高砂香料工業の企業の中期的な存続は怪しいですが、研究開発に力を入れており、長期的な開発力に期待ですね。研究開発をやりたい!という方には、おすすめの尖った企業です。



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