『ENEOS HD』への就職/転職に向けた企業研究

 今回は、ENEOS HDについて調査をしました。簡易スクリーニングでは、化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界の中で第7位となっており、上ランクに位置しております。年収と成長性が高くなっております。燃料油の国内シェアは約50%であり、きちんと売上を得ていることが成長性(時価総額)の高さに効いているのでしょうか。

★事業分野ごとの売上と営業利益の相関★
 ENEOS HDには4つの事業領域があります(エネルギー事業、石油・天然ガス開発事業、金属事業、その他)。それぞれの売上と営業利益の相関係数(R2)は、下図のように0.009、0.7376、0.652、0.3623となっております。一番売上を上げているエネルギー事業は、売上は高いかもしれませんが、売上を上げても利益が必ずしも増える訳ではない、不安定な事業となっております。
 一方で、石油・天然ガス開発事業、金属事業の売上と利益の相関を表す決定係数(R2)は1つの基準である0.6以上であり、売上が増えれば利益がそれに応じて上がる、健全な事業領域となっております。


※1 参考文献: 「日米欧の化学会社はどんな事業戦略をとってきたか:今後は」

★設備投資費/研究開発費の配分変化★
 確かに燃料油の国内シェアが1位で、エネルギー事業は、安定した売り上げを確保できるとはいえ、上記の通り、利益が安定していない状況です。事業分野としては、売上と利益に相関が高い分野にシフトしていくことが1つの考え方です。
 しかしながら、下図のように研究開発費も設備投資費も、石油・天然ガス開発事業、金属事業へのシフトは確認されないどころか、エネルギー事業への投資が増えております。確かに、エネルギー事業の中にも成長事業はありますが、雀の涙です。






ENEOS HDの新戦略(ENEOSマテリアル、JSR)★
 ENEOS HDは、自分自身で成長事業を生み出すよりも、成長事業を他社から購入する戦略をとっております。JSRの祖業である、エラストマー事業(合成ゴム事業)を丸ごと、ENEOS HDが購入し、ENEOSマテリアルとして発足しております。ただし、ここにもトラップがあります。JSRのエラストマー事業は、売上と営業利益の相関を表す決定係数(R2)は0.12と高くないのです。確かに、ENEOSのエネルギー事業よりはましですが、残念ながら大したことはありません。買収によってよかった点は、合成ゴムの素材であるBDを、ENEOSが作っているため、シナジー効果があり、合成ゴムの製造価格が減少し、利益が上がりやすい構造になることぐらいでしょうか。

★「ENEOS HD」学閥(2022年)★
ENEOS HDには早稲田大学からの入社する方が多いようです。



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