働きやすさと持続安定性を両立する化学業界の企業~TOP企業は富士フイルムor旭化成~

 就活/転職する際には、働きやすさと持続安定性がポイントとなります。それぞれを定量化し、マトリックスにまとめました。右上が◎GOOD、左下が△BADです。
働きやすさと持続安定性を両立するTOP企業は、下表より富士フイルム花王旭化成です。この三社の中からTOP of TOPを選ぶ基準は2つ(①技術力②年収)あります。
 ①技術力の指標としては、グローバルシェアNo1保有製品があるか or 経済産業省が選ぶグローバルニッチ企業に選出されているかであり、富士フイルム旭化成に軍配があります。
 ②年収に関しては、下記グラフより、富士フイルムが頭一つ飛びぬけています(OPEN WORKより作成)。入社してすぐは30万円程度しか差がついていませんが、年を取るにつれて最大400万円の差が付きます(≧50歳)。一方で、富士フイルムも完全ではなく、3年後離職率も2017、2018年は掲載されておらず、2019年以降しかデータがありません。少し透明性が低いですね。
 まとめると、やや気になる点があるものの、TOP of TOP企業(化学業界)は富士フイルム or 旭化成だと言えるでしょう。


※1 働きやすさ:新入社員の 3年後離職率定量化(詳細は過去記事参照)
I: 3年後離職率 平均<6%、標準偏差<2%(2017~2021年)
II:3年後離職率 平均<6%(2017~2021年)
III:ランクI,II以外
IV:データ無し(データを公開しておらず、怪しい)
※2 持続安定性: R&I日本格付研究所による信用格付により定量化(詳細は過去記事参照)
I:99.93%~99.94%返金/5年間
II:99.49%~99.63%返金/5年間
III:98.97%返金/5年間
IV:87.62%返金/5年間
V:データ無し
※3
表中の()内の数字は、OPEN WORKによる30歳年収。()がない企業はOPEN WORKに公表されていないです。有価証券取引書記載の年収は、企業間の計算方法が異なるようですので、比較にはOPEN WORKがベターと判断しました。2022年データ。また、棒グラフもOPEN WORKより作成。
※4
表中の赤文字⇒グローバルシェアNo1製品保有
※5
表中の青文字⇒経済産業省が選ぶグローバルニッチ企業に選出
※6
化学業界売上高ランキング50位まで+石油化学業界+α
※7
上表は就職/転職する際の定量的な判断を出来る表であるとともに、「持続安定的に成長すると思われる企業が必ずしも働きやすいとは限らない」ということも示しています。
持続安定性が高い
⇒収益が高い
⇒金銭に余力があるから給料や福利厚生なども含めて働きやすい
⇒働きやすい企業
といった考えが一見まっとうに見えますが、そうとも言えないのです。どちらかと言うと、働きやすいかどうかは、上司ガチャ(上司の人間性)が大きく占めるのではないかと体感では思います。会社の人柄を示す一つの指標が、3年後離職率かなと考えています。

【参考1】
 ちなみに、格付けに関しては、以下の本から存在を知りました。格付けに関する記載は2ページ分あり、格付けの位置付けをソニー東京電力の差異から説明されています。格付けの内容以外にも、企業比較を定量化する方法を豊富な具体例と共に説明されているため、おすすめです。
「くらべる! 決算書図鑑 比較でわかる同業他社の意外な戦略&儲けのしくみ」

【参考2】
持続安定性ランクII以上、働きやすさランクII以上の企業の年齢と年収のグラフ(OPEN WORKより作成)は以下です。同ランク企業内の選択における意思決定に有用だと思います。ただし、残念ながら、データがない部分多数あり。

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